装備を燃やしてから(といってもたいしたことない額だけど)リネージュをやめてしまったのだが、せっかくだから何か適当なことを書いておこうかな。
私は音楽は浅く広く聴くほうで(飽きっぽいとも言う)、これといってチョー好きなアーティストとかはないのだが、かつてはHR/HMというものを好んで聴いていたことがあったのだ。
ある日ギターキッズご用達の雑誌『バンドやろうぜ』を鼻をほじりながら読んでいると、
チョー速弾きギタリストとしてスティーヴ・ヴァイというやつが紹介されていた。
当時の私は、速弾きギタリストといえばイングウェイ・マルムスティーンが最高だと思っていたので、その速弾きの上を行くチョー速弾き野郎とはどんなバカだと思い、試しにヴァイのアルバム『sex&religion』を買ってみたのだった。
ヴァイのギターは、イングウェイの所謂「お城建っちゃう」様式美サウンドとは全く正反対の雑派系変態サウンドで、その基地外じみた音楽感覚は舌っ足らずにしゃべるValleyGirlのように精神を病んでいる私に都合よくフィットしたのだった。
このヴァイの『sex&religion』でドラムを担当していたのがテリー・ボジオである。ボジオもヴァイも、かつてフランク・ザッパという、これまた変態というか変態の帝王といっていいミュージシャンのバンドに参加しており(参加時期は重なっていないけど)、ヴァイはいつの頃からか、テリーとは一度一緒にやってみたいと思っていたらしい。
当然ながらテリーも超絶雑派系変態ドラマーであり、当時ドラマーといえばラーズ・ウルリッヒの名前しか知らなかった私は、延髄にきのこエキスを直接注入されたくらいの衝撃を受けたのだった。
四肢独立(それぞれの手足が違うリズムを叩く)や、スゲー速いタムまわしとか、つーかどの手でハイハット叩いてるんだよwwwみたいないやつーかコレ二人以上で叩いてねー?つー感じでした
(しかしテリー曰く、『sex&religion』はほとんどヴァイの指示どおりにパンチインしただけで、あまり面白くなかったそうだ)。
基本的にヒネクレ者の私が、この人を小馬鹿にしたようなドラミストに興味を覚えるのは当然であり、テリーの足跡をたどろうと決意するのにあまり時間を要しなかったのは言うまでもない。
このヴァイの『sex&religion』の収録がロスで終わったとき、ちょうどX(エックス)のギタリストのHIDEもロスにおり、「テリー・ボジオが近くにいるらしい」という噂を聞いて早速自分のソロアルバムに参加してみないかとオファーしてみたらしい。結果、『sex&religion』に参加していたベーシストのTMスティーヴンスも一緒にHIDEのアルバムで演奏することになった。つまりヴァイの『sex&religion』のリズム隊がそのままHIDEの『Hide Your Face』でもあるわけだ(ただ全部の曲じゃないんだけど)。
当然ながら『Hide Your Face』も買った。X(エックス)なんて聴いたことなかったし、正直HIDEなんて興味なかったけど、このアルバム結構いい感じだと思いました。とくに二曲目の『DICE』とかカッコいいくて好き。テリーもなんか好きなように叩きまくってるようで、ぶっちゃけヴァイの時よりも面白く叩いてる感じだ。それはそうと何でHIDEは死んじゃったんだろうねえ。HIDEの死もねこぢるの死も残念だ。
その後私はテリーのルーツをたどる旅に出て、フランク・ザッパのライブアルバム『BabySnakes』を買ってみた。このライブは映像で見たほうが面白いらしいが手に入らなかったのでアルバム。『TitiesN'Beer』とか馬鹿丸出しで(つーかザッパの曲はほぼ全て馬鹿だけど)フランクと悪魔役のテリーが口論してるだけの曲。是非ビデオ版が欲しいもんだ。
テリーが初めてのメジャーデビューはザッパなのかな?その辺良く知らんけど、ザッパバンドを辞めたあと、同じくザッパファミリーのウォーレン・ククルロ(guitar。今はまだデュランデュランにいるのかな?(と思ったらウォーレンとっくの昔に脱退してやんの))、パトリック・オハーン(bass)、奥さんのデイル・ボジオ(vocal)とともに、近未来的POPサウンドバンドMissingPersonsを結成。このミッシングパーソンズはデイルがおっぱい丸出しで奇怪な怪鳥音をあげて歌うというステージングも近未来なバンドで、ちょっと見た目にはイロモノっぽいが、音楽性はかなりすばらしい(と思う)。今でもかなりのファンがいるらしく、テリーと離婚してメンバーが全て解散した後も、デイルは一人で頑張っているっぽい。私はベスト版しか持ってないけど、『NoSecrets』とか『BadStreets』とか大好き。80年代の頃、21世紀ってやつに輝かしい希望を感じていた時代の香りがする曲が目白押しだ。まあそこにテリーの変態ドラミングが入ってくるわけだけども。
ちなみにミッシングパーソンズでは、テリーはエレクトリックドラムを使っていた(はずだ)。
もっともなぜかその後使わなくなってるけど。まあそのエレドラという点でも近未来的だ。マジデ。
このあとテリーがどういう経路をたどったのかは知らないが、ジョン・ウェットンのプログレバンドUKのアルバム『DangerMoney』で叩いている。日が落ちたあとの都心を連想させるようなしっとりとしたサウンドを醸し出す悪くないアルバムだけど、ちょっとテリーは面白くなさそうだ。本当のことはわからないけど、自由度が低そうだよね、プログレって。私は比較的好きなジャンルだけどなー。
さらにテリーはサックス奏者のブレッカー兄弟に誘われて『HevyMetalBebop』に参加している。もしテリーのドラムの真骨頂が聞きたいというならこのアルバムがお勧め。ジャズ畑でもやりたい放題であり(つーかジャズ畑だからやりたい放題なのか)、ファンキーなリズムも超絶テクニックでこなしまくる痛快な一作ッス。三曲目の『SomeSkunkFunk』とかもー無茶苦茶で、ある意味ザッパに通じるものがあるな。ちなみにアルバムの名前はヘビーメタルビバップだけど、ヘビーメタルとは関係ない。
「ヤードバーズの超合金」の異名を持つジェフ・ベックのアルバム『GuitarShop』。これにもテリーは参加している。ただどうだろな。もうコレはジェフ・ベックのアルバムというべきで、テリーの出てくる余地はどれだけあるんだろうなという気がする。テリーが叩いているということで買おうとするとちょっと失敗かもしれない。ちなみに友達のY君はベックのアルバムの中では一番嫌いといっていた。なんかわかる気もする。
つーわけで私の好きなドラミスト、テリー・ボジオを簡単に紹介してみた。
テリーの最近の動向は知らない。最近CD買わないからな。
と、ここまで書いて、私の持っているものでテリーの参加しているアルバムをひとつ書き忘れた。ミック・カーン、デビッド・トーンと共演した『Polytown』。インプロヴィゼイション主体のジャンル分け不能音楽。ミックの完全に感覚onlyフレットレスベースと、トーンの何かを渇望する精神世界のようなギターサウンドがテリーの素っ頓狂なドラムと融合してかなり吐き気をもよおすような曲が目白押し。
キングクリムゾン等で慣らした者がさらに上の段階へステップアップして、こういう意味不明の音楽へたどり着くのかもしれないな。演奏してる連中には面白そうなんだけど、まあはっきり言って音楽として聴くタイプの音楽ではない。演奏として聴くべき音楽なんだな(そりゃインプロヴァイズドだもの)。(音楽として聴くならば)無臭性の音楽という意味では、ある意味サティに通じるものがあると勝手に思っているが、同時にジョン・ゾーンにも通じているような気がする。つまり立ち位置としてはそういう剣呑な場所にいるわけだ。
興奮するようなリズムとか、何かを思い出させるようなメロディーとか、そういうのとは全く無縁で、ただただインプロヴァイズドマンのためのインプロヴァイズド音楽。
しかしこのアルバムではスネアがいい音してますな。
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